プラチナは錆びる？着用した後のお手入れと錆びや黒ずみの対処法も紹介

愛用しているプラチナジュエリーが錆びないか心配ではありませんか。

宝石やゴールドと組み合わせたアクセサリーの、メンテナンス方法を知りたい方もいるでしょう。

本記事では、プラチナ着用後のお手入れのやり方や、錆びたときの対処方法をご紹介します。

プラチナの錆びや黒ずみで悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

プラチナや貴金属は金属のなかでも化学的に安定しており、錆びる心配はほとんどありません。

常に着用する結婚指輪にプラチナが多いのは、錆びにくさや希少性の高さが理由です。

しかし、プラチナのように錆びにくい貴金属であっても、純度が低いと錆びやすくなるため注意が必要です。

純度とは製品に含まれるプラチナの割合（％）で、千分率を使って表示されています。

プラチナ製品を購入しようとした方の多くが、Pt950やPt900など、プラチナを示すPtに続く3桁の数字をご覧になった経験があるのではないでしょうか。

Pt950はプラチナの含有割合95％を示し、数値が大きいほど純度が高く錆びません。

プラチナの標準品位は、国際貴金属宝飾品連盟（CIBJO）が定めたPt850以上です。

インゴットや投資用コインはPt999、日本国内ではPt900が結婚指輪に多く使われています。

Pt950は、プラチナの持つしなやかさと適度な強度を保持しており、特有の輝きを放つジュエリーに仕上がる純度です。

常に着用する結婚指輪にPt950では硬度が不足しており、価格も高額になるため日本では多く流通していません。

Pt900よりも硬度を高めたPt850は傷や衝撃に強く、気軽にプラチナジュエリーを楽しめる純度です。

純度の調整には割金と呼ばれる金属が使われ、割合が多いほど純度は下がります。

プラチナ単体ではやわらかく、ジュエリー加工するには硬度を高める割金は欠かせません。

錆びやすい割金の種類には銀や銅、コバルトなどがあり、海外製の安価なアクセサリーに多く使われています。

錆びにくいのはパラジウムやルテニウム、イリジウムなど、プラチナと性質や色味が似ている希少性の高い金属です。

パラジウムやルテニウムは錆びにくいだけでなく、金属アレルギーになりにくい性質から、日本国内で加工する高価格帯のジュエリーに利用されています。

錆びにくいプラチナでも、シチュエーションによって錆びるケースがあります。

なかでも、常に着用している結婚指輪は、錆びたり変色したりするリスクの高いアクセサリーです。

錆びる原因やシーンを把握し、プラチナアクセサリーの適切な取り扱い方を心がけましょう。

 

温泉や家庭用入浴剤の硫黄系成分に触れると、プラチナジュエリーが変色するリスクが生じます。

錆びにくい特性を持つプラチナが変色するのは、加工する際に配合した割金が化学反応を起こすからです。

銅や銀は硫黄と反応（硫化）すると黒ずむ性質があり、シャンプーやボディソープの界面活性剤との塩化反応も変色の原因です。

割金の割合が多い製品ほど、変色や錆びるリスクが高まります。

黒ずんでしまったら、プラチナの表面を覆っている硫化膜や塩化物を取り除けば除去できます。
 

海水浴やマリンレジャーでは、海水に含まれる塩分でプラチナアクセサリーが錆びる心配をする方もいるでしょう。

プラチナは海水が原因で変色したり錆びたりしないものの、海水浴やマリンレジャーで付着した塩分や汚れを放置すると影響を受けます。

錆びやすい割金を多く配合している製品は、錆びやすく注意が必要です。

また、海中で紛失すると見つかる確率は低く、砂浜や岩場などでアクセサリーが傷つくリスクも忘れてはなりません。
 

プールでは、屋内外に関係なく、プール熱などの感染を防止するために塩素剤を投入しています。

使用している塩素剤は健康に影響をおよぼしませんが、プラチナジュエリーが塩素に反応して変色するリスクには注意が必要です。

プラチナの純度が高ければ問題ありませんが、純度が低くなるほど変色や錆びが発生する可能性は高まります。

特に、シルバー素材が多く含有されているアクセサリーは外しておくほうが無難です。
 

日焼け止め製品や化粧品、香水には、金属の黒ずみを誘発する成分を配合しているものがあります。

化粧下地やネイル製品、リップケア、ハンドケア製品なども同じ成分を含んでおり、

化粧品を使うときは、アクセサリーが変色するリスクを想定しておかなければなりません。

プラチナは影響を受けにくいものの、割金に含まれるシルバーや銅は変色しやすく、放置すると化粧品に触れていなかった部分にも黒ずみが広がります。

自己流で黒ずみを落とすとこまかい傷がつき、あしらわれている宝石にも影響を与えるため、気付いたら早急に専門家にクリーニングを依頼しましょう。
 

プラチナが錆びる原因に、皮脂や汗に含まれる成分も挙げられます。

汗に含まれる硫黄成分や塩素成分が、アクセサリーに使われている割金が錆びる原因です。

純度の高いプラチナであれば心配ありませんが、低いものは注意しましょう。

プラチナ自体が錆びたり変色したりしなくても、皮脂や汗が変色し黒ずむこともあります。

皮脂や汗を取り除けば問題ありませんが、付着したまま放置すると後々錆びや黒ずみの原因になるため注意が必要です。
 

プラチナアクセサリーは錆びにくい性質を持っていますが、着用後に適切なお手入れをしなければ輝きを失うときもあります。

普段外す機会がほとんどない結婚指輪も、輝きを保持するには、日常生活でのケアが欠かせません。

正しいお手入れ方法を実践し、美しい輝きをキープしましょう。
 

硫化反応や塩化反応を引き起こす成分を付着したままにせず、使うたびにやわらかい布かアクセサリー専用クロスで汚れを取り除きましょう。

海水浴やマリンレジャーのあとは、砂が付着したまま布で拭くと傷が残るときもあります。

砂と一緒に海水の塩分も水道水で洗い流し、清潔なタオルで水気を拭き取ってから、プラチナ専用のクロスで仕上げ磨きをする方法がおすすめです。

結婚指輪のように日常的に着用しているアクセサリーは、変色や錆びやすいシチュエーションで着用したときだけでなく、普段からこまめに汚れを落としましょう。

ときには、プラチナジュエリー専用のクリーナーを使うと、プラチナ本来の輝きを取り戻します。
 

プラチナアクセサリーの汚れが気になるときは、食器用洗剤を使う洗浄方法がおすすめです。

ジュエリーが入る大きさの器に、ぬるま湯と食器用洗剤数滴を入れ軽くかき混ぜ、プラチナ製品をそっと入れましょう。

やわらかい歯ブラシや綿棒で、汚れのたまった部分や指輪の裏側をやさしく磨いてください。

ネックレスであれば、洗剤液の中で振り洗いをします。

汚れを落としたら流水ですすぎ、やわらかい布で水分を取り除いて乾かせば、洗浄作業は完了です。

一度に複数のアクセサリーを洗うと製品が器のなかでぶつかりあい、傷つくおそれがあります。

食器用洗剤の成分が残っていると変色や錆びる原因になるため、ていねいに洗い流しましょう。
 

プラチナや貴金属の光沢を長持ちさせるには、日常生活だけでなく旅行先でも錆びや変色を防ぐコツを知っておきましょう。

適切な扱い方も知っておくと、劣化を防止し品質や輝きをキープできます。

ここからは、手軽にできるプラチナの錆びや変色を防ぐコツを紹介します。
 

マリンレジャーや海水浴、温泉の利用時は、プラチナや貴金属が水に濡れないよう外します。

海水や温泉に含まれる成分によるアクセサリーの劣化を防ぐと同時に、紛失するリスクを回避できるからです。

日常生活でも、入浴や炊事など水に触れるときは指輪を外してください。

ていねいに水分を取り除いたつもりでも、指と指輪の間に湿気が残ります。

洗剤の成分や皮脂汚れが指輪に付着したまま放置するのは、変色や錆びる原因です。
 

身支度を整えてからアクセサリーを装着すると、化粧品や香水、ヘアケア製品が付着するのを防げます。

プラチナ製品や貴金属と、化粧品に含まれている黒ずみや錆びを誘発する成分が触れる機会を減らしましょう。

帰宅後は、手についた化粧品をきれいに洗って落とし、水分を拭き取ってからアクセサリーを外しましょう。

洗顔や着替えを済ませてからアクセサリーのケアをおこない、早期に汗や皮脂汚れ、化粧品を取り除くのも錆びるのを防ぐコツです。
 

錆びの発生を防ぐため、レジャーの移動中や滞在先では外したプラチナや貴金属は専用のケースで保管しましょう。

保管するケースは、ジュエリーが接触して傷が付くリスクの少ない個別収納タイプがおすすめです。

旅行先に専用ケースを持参できないときは、チャック付きビニール袋でもかまいません。

チャック付きビニール袋はアクセサリーを個別に収納できるうえ、かさばらず手軽に準備できます。

大気中に含まれる水分や錆びを誘引する成分と、ジュエリーが反応するリスクも軽減できます。
 

プラチナや貴金属が錆びたときは、身近にあるグッズを使って対処できます。

万が一錆びてしまったら、自分でできる対処法を試してみましょう。

自分で対処するのが不安なプラチナの錆びには、ジュエリーリペア（修理）専門店への依頼もおすすめです。
 

プラチナや貴金属製品に発生した錆びは、お酢やレモン汁に浸し酸化還元反応により取り除きます。

お酢やレモン汁を入れた器にアクセサリーを入れて5～10分経過したら、水道水でていねいにお酢を洗い流して水分を拭き取ってください。

すすぎが十分でない場合は、かえってアクセサリーを劣化させてしまうため、念入りにすすぎましょう。

宝石があしらわれているアクセサリーには、お酢やレモン汁を使用しないでください。

宝石には酸に弱い性質のものがあるため、クロスやブラシでやさしく磨くだけにします。
 

プラチナや貴金属の黒ずみを取り除くには、重曹（ベーキングパウダー）を使う方法もあります。

耐熱性の容器にアルミホイルを敷いた中にプラチナ製品を置き、周囲に重曹を振りかけます。

アクセサリーが隠れるまで熱湯を注ぎ入れ泡が立ったら、そのまま3～5分放置しておきましょう。

黒ずみが落ちているのを確認できたら取り出し、水道水で重曹を洗い流してやわらかい布で水分を取り除きます。

アルミホイルと重曹から発生した成分がアクセサリー表面の硫化膜と反応し、こすらなくてもきれいにできます。
 

プラチナを金属磨きや研磨剤入りのグッズで磨くと、プラチナを削ってしまいます。

組み合わせてある宝石によっては水や洗剤が不向きなため、専門店への依頼が無難です。

ここからは、プラチナの錆びを自分で取る際の注意点を解説します。

 

黒ずみを取り除ける製品は、グロスや液体ワックス、クロス（布）など形態はさまざまです。

プラチナ製品専用には、研磨剤が入っているタイプもあるため注意が必要です。

研磨剤は黒ずみを削り取る過程でプラチナも削り、使い続けると重量が減るリスクがあります。

お手入れでできた表面の傷がくすみを助長するリスクもあるので、使用する際は力を入れすぎず、やさしくていねいに磨くのがコツです。
 

プラチナのお手入れに水や食器用洗剤は使用できますが、あしらってある宝石によっては不向きなケースもあります。

家庭でできる対処法で錆びや黒ずみが取れても、宝石が変質してしまっては取り返しがつきません。

錆びや黒ずみが発生する前に、ジュエリーリペア専門店に定期的にお手入れを依頼しましょう。

リペア専門店は、着用している方が気付かないプラチナの劣化も、早期に見つけて対処してくれます。
 

プラチナは錆びない金属ですが、温泉やマリンレジャーでは錆びや紛失のリスクがあるため事前に外しましょう。

普段のお手入れや錆びの対処は家庭でもできますが、ジュエリーリペア専門店に任せると安心です。

アクセサリーの新品仕上げを手がけるカデンシア＆コンシェルに相談して、プラチナの輝きを取り戻しましょう。